組織課題の解決シリーズ – 木だけではなく森をみる
こんにちわ。従業員体験( EX ) の向上がミッションのエンジニアリング統括室に所属しているてぃーびーです。
組織に関わる定番の問題、その解決策をまとめる組織課題の解決シリーズです。
- 前提知識 - このお題を説明する上で必要な前提知識
- 組織の臭い - 解決が必要な対象の症状、問題点
- プログラムにおける「コードの臭い」を想定しているものです
- 組織課題の解決テクニック / 臭いの解決方法
の構成でまとめます。
今回のお題は「木だけではなく森をみる」です。
前提知識
バリューストリーム
バリューストリームとは、製品・サービスが顧客の手に届くまでの活動全体のことです。
バリューストリームを可視化する手法としてバリューストリームマップ(バリューストリームマッピングとも呼ばれる)があります。
組織の臭い - 木だけを見る
業務は単独担当や単独部門だけで完結するものもあれば、担当・部門をまたいで完結するものもあります。
場合によっては、自社だけでは完結せず、お客様や協力してくださる外部の会社の方々も関与してはじめて完結できる場合もあります。
こういった、複数主体をまたぐ業務に関わっている場合、その一部分に存在する問題だけを見ると部分最適になってしまい、全体の改善につながらないことがあります。場合によっては、悪化することすらあります。
例 - 採用における部分最適
採用活動は
- 認知
- 興味
- カジュアル面談
- 応募
- 選考
- オファー面談
のプロセスを推移します。
例えば、 C 部門の採用業務について
- 認知、興味は A 部門
- カジュアル面談, 応募は B 部門
- 選考・オファー面談は C 部門
がそれぞれ分担して担当していたとします。
仮に、 C 部門の業務負荷が大きいため、オファー面談の部分を B 部門に委譲するケースを考えてみます。 C 部門目線では、業務負荷を減らせて部門内の最適化をすることができました。一方で、候補者体験の全体像でみると、選考からオファー面談まで B 部門が一貫して継続して関わってくれていた頃の選考はおそらく候補者体験がよくなりやすく、唐突にオファー面談だけを関係のない C 部門に切り出した選考では候補者体験は低下し、内定受諾率は低下するでしょう。
そもそも採用を何のためにしているかというと、応募・選考負荷をしているためではなく、良い方と出会い、入社していただくためです。
組織課題の解決テクニック
部分最適を解決する方法は大きく分けると2つです。
- 全体プロセスの可視化
- 横串の会議体による継続改善
全体プロセスの可視化
組織課題を木で見ず、森としてみるためには全体像が可視化されている必要があります。
そのためには、業務のプロセスを可視化するとよいでしょう。
可視化の方法は対象により様々なものがありますが、例えばバリューストリームマップがあります。
特に名前がついた大層な手法がいつも必要というわけでもなく、単に各ステップを線でつないだだけのプロセス図でも何もない状態より前進できます。
横串の会議体による継続改善
組織課題を森として見つつ解決するためには、森の単位で話し合う必要があります。
そのため、横串で話し合い、継続改善するための会議体を用意する方法があります。
出席者は関係する各主体のリーダーがよいでしょう。
事前に可視化しておいたプロセス図を踏まえつつ、
- 現状のボトルネックがどこか?
- クリティカルパスはどこか?
- 問題点を変更した際の影響はどうなるか?
などを話し合いつつ、継続改善するためのふりかえり定例を実施します。